意味のある名前



「す、すみません……お世話になってしまって……」
「いや、引き止めちまった俺も悪いし、ちょっと散らかってるけど勘弁してくれな」
話がはずみ酒をたらふく飲んだ俺達は、時間がたつのさえすっかり忘れていた。
終電が無くなってしまったという奴を、俺は会場から近くにある自分の部屋へと案内した。
「じゃ、俺は床で寝るから」
「ちょ、ちょっとまってくださいよ!」
引越し用のダンボールが散らばった部屋を片付け、たたんであった毛布を広げ床に寝転ぼうと
する俺を奴が慌てた様子で止める。
「僕が床で寝ますから、貴方がベッドを使ってください」
「そういわれてもなぁ……招待者を床で寝かせるわけにもいかねぇだろ」
「し、しかし部屋の主である貴方が床で寝るのもおかしな話でしょう?!」
奴が俺の手から毛布を奪い取ろうとするのを俺は片手で制す。
どうしたものかとお互いに身動きをとれずにいると、静寂の中奴が口を開く。
「じゃ、じゃあ一緒に寝ましょう!」
奴の突拍子も無い提案に一瞬思考が停止する。
「……何それ、本気でいってんの?」
「ぼ、僕はいつでも本気ですよ!」
体の固まった俺から毛布を奪うと、奴がベッドに向かう。
「僕はこのすみっこでいいですから」
奴が問答無用で端に横になる。
「しょうがねぇなぁ……」
俺はやれやれと首をすくめながらベッドへと向かった。
横になろうとする俺の頬に奴の手が触れる。
「……ん? 何かついてるか」
「いえ、まだ消えないなと思いまして」
奴が言ってるのが顔の手形のことだとわかると、奴が触れている部分がちくりと痛む。
そっと手のぬくもりが俺の体に伝わる。
奴と目が合い、奴が俺に笑みを向けた瞬間。
なにかが俺の中でぷつりと音を立てて切れた。
ベッドに奴の体を引き倒し強引に唇を奪う。
「……っく……ん」
舌を絡めとり、奴の首元からネクタイを抜き取る。
唇を離すと奴はこちらをうつろな目で見つめていた。
「……俺、彼女だなんて一言も言ってねぇからな」
「は、いっ?」
俺の発言の意味を汲み取ろうとしている奴の両手を頭の上で束ね、ネクタイで縛る。
シャツのボタンを少し乱暴にはずし、あらわになった首筋に噛み付くようにキスをした。
「あ、な、何をっ」
「決まってるだろ?」
一緒に寝るんだろ? と奴の耳元で単語をささやくと奴の顔が朱に染まった。
「悪いようにはしねぇから、素直に抱かれてろ」
「ああっ……」
シャツの前を全開にし、わき腹を舌でなぞると部屋に嬌声が響いた。
そのまま顔を下の方へずらし股間に息を吹きかけると奴の体が小さくはねる。
「やっ……」
「へっ、しっかり感じてんじゃねえか」
ズボンのジッパーを下ろし、軽く立ち上がりかけたそこに触れると今度は奴の体が大きくはねた。
指で弄ぶように刺激を加えると、そこが硬くなっていくのがおもしろいぐらいに感じられた。
「は、う」
奴の顔を見上げると喘ぎ声を堪えているのか顔が少し強張っているのが見える。
俺は自分の顔がにやけるのを感じた。
きっと嫌になるくらい下品な顔だっただろう。
「なぁ、素直になっちまえよ」
もう奴のそこはすっかり立ち上がっており、指先で先端に触れるとくちゅ、と濡れた音をたてた。
素直な反応を見せる体とは裏腹に、顔は頑なに感じることを拒否している奴。
いらつく。
「あ……う、んっ?!」
奴の股間から手をひくと奴の体から力が抜ける。
俺はその一瞬を逃さずに、下着ごと奴のズボンを引き抜いて床に投げ捨てた。
急に外気にさらされた下半身が足を閉じるように動く。
その動きを妨げる様に俺は両足の間に体をねじ込み、奴の足を大きく開いた。
「いい光景だな……」
「あ、ああっ!」
先程とはうってかわって奴のそれを握るように大胆に手で愛撫すると
奴の口からは堪えきれない嬌声がたえまなくこぼれ落ちる。
片手で刺激を与えながらもう片方の手を胸の小さな突起にのばす。
「あ、やぁ……」
そこはぷくりと立ち上がっていて、押しつぶすように指で刺激を与え舌を這わす。
「はぁ、あ、駄目、もっ……」
「……いいぜ、いっちまいな」
胸の突起にかじるように歯を立てると、カリッと音がする。
「あ、ああっ……!!」
その瞬間、奴は俺の手の中でイった。
「はぁ……はぁ、あ」
「ずいぶんたまってたみたいだなぁ?」
手を汚す精液を軽く舐めると、久しぶりに感じる青臭い味が広がる。
荒い息を整えながら、潤んだ目が俺を見つめている。
「まぁ、そのほうが楽でいいんだけどな」
「ひっ……」
汚された手をそのままに、後ろに指を這わすと奴の喉から引きつった声が漏れ
胸の中の体が硬くなるのが感じられた。
吐き出された精液を潤滑油がわりに、後ろの穴に指を一本挿入する。
「……っ!」
「狭いな……しかたねぇか」
普段、性行為になど使われないそこは俺の指を拒むように締め付ける。
ほぐすように指で中をいじると、喘ぎ声とも泣き声とも区別がつかない声が漏れる。
「ふ、あ、ああ……」
体の緊張をほぐしながら、指を二本、三本と様子を見て増やす。
体内にある前立腺をこするように刺激を加えながら中を広げると、奴の口からは
嬌声がひっきりなしにこぼれていく。
「あ、ああっ、あっ!」
「そろそろかな……」
「んっ!」
奴から指を抜き、体を覆う邪魔な衣服を脱ぎ捨てる。
ベッドの下から隠しておいたコンドームをつけると、奴が弱弱しい視線をこちらに向ける。
「……そんなに不安そうな目で見るなよ」
奴の上に再び覆いかぶさると、汚れていない方の手で腕をしばりつけていたネクタイを解く。
「力、抜いてろよっ……!」
頬をなでるように手を当て、奴の意識がそっちに向いた隙にさっきからうずいて仕方ない
自分自身を奴の後ろにねじ込んだ。
「ひ、あ、あああっ?!」
「きつっ……」
再び立ち上がった奴自身に刺激を加え、意識をそらさせながら少しずつ、少しずつ腰を進める。
全て収まると、そのまま奴の呼吸が落ち着くまでしばし待つ。
「なぁ……目開けろよ……」
耳元でささやくと答えるようにきつく閉じられていた目が開かれる。
涙で濡れた奴の目。
俺は指で流れた涙を掬い取るようにぬぐった。
静寂の中にお互いの荒い息だけが響き合う。
そっと腰を動かすと奴の口から苦しそうな声が漏れる。
しかし、その声もやがて嬌声へと変わって行った。
「あ、ああっひ、うあっ……」
始めはゆっくりと、そしてだんだんと腰を大きく早く動かしていく。
「ああっ……」
奴の手が何かを求めるように宙をさまよう。
俺はその手を取ると自分の背に手を回した。
縋り付くように手が俺の背中に爪を立てる。
奴の瞳からは新しい涙がひっきりなしにこぼれ、指でぬぐってもぬぐってもとまらない。
「……泣くなよ……」
泣かせているのは誰だと思っている?
「あ、ああ、も、苦し……あぁっ」
俺の体に縋り付く手にわずかながら力がこもる。
奴の唇に軽くキスを落とし、ひときわ強く腰を打ち付ける。
「ひぅ、あ、ああっ!」
「……くっ……!」
腹に生暖かい液体が打ち付けられると同時に、俺は奴の中で精を爆発させた。


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