ボクは歌うことが好きです。 小学校のからの帰り道、いつものように歌を歌いながら帰る途中でした。 今日の歌は昨日お父さんから聞いたお父さんとお母さんのプロポーズの話。 「ねぇ、ちょっと聞いてよ〜♪」 そんな時、上から声がしました。 「おーい、そこの坊主」 ボクが驚いて顔を上げるとそこにはぷかぷかと宙に浮いたお兄さんがいました。 お兄さんは自分のことを神様だと言いました。 何でも、今度のポップンパーティに参加する人を探しているそうです。 「で、新しい才能を発掘するのも俺様の仕事なわけ」 お兄さんが宙で一回転するとボクの手の中に一通の手紙が現れました。 「てなわけで、よろしくな〜」 お兄さんはそれだけ言うとパッとボクの前から消えてしまいました。 ボクの手の中には手紙だけが残りました。 ”第12回ポップンパーティ招待状”が……。 「はい、マモルくんありがとう!」 「あ、ど、どうもです……」 そして、ボクは今あのポップンパーティのステージの上にいて、歌を歌わせてもらったわけで。 うさぎの耳をしたお姉ちゃんと猫耳をしたお姉ちゃんに手を引かれてステージから降りました。 ポップンパーティは噂で聞いたよりもとてもすごいものでボクなんかがここにいてもいいのかな? と思ったけれど、周りのみなさんはみんな優しくてここに来て良かったと思います。 昨日のお兄さん、ジャスティスさんにも会えたし……。 ステージを終えて、いろんな人とお話をしたあとボクはジャスティスさんを探してみることにしま した。 会場をちょっと見回して見るけど、人が多すぎてそれらしい人がいるかどうかはちょっとわから ないので会場内をちょっと歩いてみることにしました。 あのお兄さんはどんな曲を演奏するのだろう? でも、考え事をしながら歩くのはよくないですね。 「うわぁっ!」 「ん?」 前を良く見てなかったボクは、前にいた人にぶつかってしまいました。 「ご、ごめんなさい……」 顔を上げるとそこには三度笠のをかぶったお兄さんと浴衣姿のおじさんがいました。 「お、誰かと思ったら生意気な歌を歌ってた坊主じゃねぇか、良かったぜあの歌」 「Oh、かわいらしかったデスよー」 「あ、ありがとうございます!」 「そんなに緊張するんじゃねぇよ俺は流石最上、でこっちがNICEGUY」 「よろしくデスよー」 「よろいくお願いします!ボクはマモルといいます」 流石さんとナイスさんはちょっと怖い人かなと思ったけど、優しい人でした。 ボクと同じで今回が初参加だそうです。 「ところでマモルクン、誰かお探しデスか?」 あ、そういえばジャスティスさんを探していたんでした。 「えーと、ジャスティスさんっていう人なんですけど」 「ジャスティスサン、デスか」 「今回初参加だって言っていたんでこの会場にいると思ったんですけど……」 「……もしかして、あいつか?」 流石さんが指差した先にはステージとさっきまではなかった大きなスクリーンがありました。 そして、そのスクリーンに映っていたのは……。 「お次は、今回初参加ジャスティス☆さんだよ!」 猫耳のお姉ちゃんのナレーションが会場内に響きました。 「はじめまして、ジャスティス☆です今回はお招きいただきありがとうございます」 スクリーンの中のジャスティスさんが口を開きました。 「それでは、聞いてください『Looking for ...』」 画面内のジャスティスさんと、目が会った気がしました。 流れ出す伴奏の音。 続いて流れる透き通った声。 一生懸命歌うジャスティスさんはとてもかっこよかった。 「へぇ、こりゃあいい声してんな」 ボクも、そう思う。 ジャスティスさんの歌は綺麗で、かっこよくて、ボクの心はなぜだかドキドキしていて。 いつの間にか演奏は終わってステージには次の人が上がっていました。 「かっこだけじゃなかったな」 「そうデスねー、彼は将来大物になりマスヨー」 「あれ、マモルちゃんは?」 ボクは駆け出していました。 ジャスティスさんにあって、感想を伝えたい、無性にそう思って。 あのクレーンの下に行こう。 そうすれば、きっとジャスティスさんにあえると思う。 ……何でこんなにあいたいんだろう?……まぁいいか、ジャスティスさんにあいに行こう。 今はただ、ジャスティスさんと会って話がしたかったから。 |
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