「そうだ、この前ポッキーもらったんだった、マモル君一緒に食べようか」 ある日の夕方、マモルとジャスティスの2人はソファーで寄り添いながら過ごしていた。 ジャスティスはそういうと1箱のポッキーを鞄から取り出した。 「はい、マモル君」 「ありがとうございます」 ジャスティスが袋の口をあけたポッキーを隣に座るマモルに手渡すと、マモルは嬉しそうな顔でそれを食べ始めた。 その笑顔を見て、ジャスティスも満足な顔をしてポッキーを食べ始める。 「ん、おいしい」 「おいしいですね、ジャスティスさん」 するとジャスティスが何かをひらめいたかのようにマモルの顔を見つめる。 視線に気づいたマモルは首をかしげるようにジャスティスを見つめ返した。 「どうしました、ボクの顔に何かついてますか?」 「ううん……ねぇ、マモル君ポッキーゲームって知ってる?」 「ぽっきーげーむ、ですか?」 ジャスティスはマモルの手元の袋から1本のポッキーを取り出した。 「ちょっとした遊びなんだけどね」 「知らないです……教えてください!」 「知りたい?」 「はい!」 マモルが期待を込めた眼でジャスティスを見る。 そんなマモルの様子を見てジャスティスは微笑んだ。 「うん、じゃあちょっと顔をあげてくれるかな」 「こうですか?」 「そうそう、はいあーん」 ジャスティスがポッキーのチョコのついた方の先をマモルにくわえさせた。 「で、せーので食べていくんだ、行くよせーの」 言葉を発すると同時にジャスティスがポッキーの反対の先を加えて食べ始める。 2人の口はどんどん近付いていく。 その距離は短くなっていく。 少しずつ、だんだんと……。 「ジャ、ジャスティスさん! それ以上近づくと大変なことになります!」 マモルは頬を赤く染めながら、あわてて口を離す。 ジャスティスは残ったポッキーを食べきるとマモルに聞いた。 「大変なことって?」 「え、あ、その、ボクとジャスティスさんがキ、キスしてしまいます……」 うつむくマモルと小さくなっていく言葉。 ジャスティスはそんなマモルを見ると苦笑いをした。 「ははっ、そういう遊びなんだけどね」 「あ、そ、そうなんですか」 「マモル君にキスしそびれちゃったなぁ……」 ジャスティスの手がそっとマモルの顎に添えられ、うつむいた顔を自分の方へあげさせる。 「ジャスティスさ……」 顔をあげさせるとそのままジャスティスがマモルの唇を軽くふさぐ。 「マモル君チョコレートの味がする、すごく甘い」 「ジャ、ジャスティスさんも、甘いです……」 「もっと味わいたいな……いい?」 マモルが顔を真っ赤にして首を縦にこくんと動かす。 ジャスティスは微笑むとマモルの唇を奪った。 さっきよりも深く、濃密に……。 |
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